奥井 剛
私はこれまで、ハンナ・アーレントの思考を手掛かりに、公的な意思決定をめぐる哲学と政治の関係について研究を進めてきました。生命科学の先端的な技術的発展に伴って顕在化する生命倫理の諸問題を、科学や哲学などの学術的な議論のうちに留めずに、いかにして公的な事柄として語りうるかということに問題意識をもっています。研究を通じて政治哲学の知見や実践での経験を活かし、生命倫理の問題の公的議論の活性化に寄与できればと思います。
略歴
・2007年 ニューヨーク州立大学アルバニー校社会学経済学二重専攻 卒業
・2014年 京都大学大学院総合生存学館 総合生存学専攻 入学
・2017年 京都大学大学院総合生存学館 総合生存学専攻 修士課程修了
・2017年 ユネスコ社会人文科学局 研究・政策担当課 特別研究員/インターン
・2018年 Mind&Life Institute プログラム・コーディネーター(コンサルタント)
・2019年 京都大学大学院総合生存学館 総合生存学専攻 満期単位取得退学
・2019年 京都大学大学院総合生存学館 非常勤研究員
・2019年 株式会社フェニクシー 哲学コンサルタント
・2020年 京都大学高等研究院 ヒト生物学高等研究拠点 特定研究員
京都大学iPS細胞研究所 上廣倫理研究部門 受入研究員
主な研究成果
論文
- Okui G, Takeda S. Revisiting the measure of development: A critique of sustainametrics. Frontiers in Sustainability. 2022; DOI: 10.3389/frsus.2022.943202.
- Sawai T, Akatsuka K, Okui G, Minakawa T. The regulation of human blastoid research: A bioethical discussion of the limits of regulation. EMBO Reports. 2022;e56045. DOI: 10.15252/embr.202256045.
- Sawai T, Okui G, Akatsuka K, Minakawa T. The Implications of Rethinking the 14-day Rule for Research on Human Embryos. EMBO Reports. 2021; DOI: 10.15252/embr.202153726.
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奥井剛.ハンナ・アーレントにおける政治と哲学の緊張関係と共通感覚の含意.実践哲学研究.2018; 41: 21-52.
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Takeda S, Okui G, Fujimura N, Abe H, Ohashi Y, Oku Y, . . . Kimura S. The success of the link model programme in rural Bangladesh: An empirical analysis. Journal of Development Policy and Practice. 2018; 3(2).
その他
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CIPSH and UNESCO (2017), Challenges and Responsibilities for a Planet in Transition. Proceedings of the World Humanities Conference, Liege, Belgium, 6-11 August 2017, CIPSH-UNESCO, ITM, Paris, Macao.