【開催報告】生命倫理ワークショップ2019を開催しました

2019年9月5日(木)、6日(金)に生命倫理ワークショップ2019を開催しました。

初日の5日(木)は、国内外より生命倫理学の研究者3名を招聘して、英語で講演をしていただきました(共催:公益財団法人上廣倫理財団、生命倫理京都大学文学研究科応用哲学倫理学教育研究センター[CAPE])。講師の Hazam Zohny先生には、近代医療における「医療化」の問題に対する福利主義的なアプローチについて、Doug McConnel先生には良質な医療を担保するために医師の裁量権の範囲をどこまで認めるかについて、また楠瀬まゆみ先生には個人から収集したヒト試料やデータを用いた生物医学研究での利益共有についてそれぞれお話しいただきました。

2日目の6日(金)(共催:公益財団法人上廣倫理財団)は、大学院生・ポスドクや中堅研究者を中心に個人研究の発表をしていただきました。人工補助心臓をつけた患者を対象とした調査研究や子宮移植の倫理的課題、マスコミでも取り上げられた医療従事者の労働環境の問題など、今年も様々な専門分野の研究者から興味深いテーマで発表いただき、参加者間で活発な意見交換を行いました。

ワークショップ後に集計したアンケートでは、「専門分野の異なる研究者から意見をもらえてよかった」「自分の研究の刺激になった」「他分野の研究者と知り合いになれてよかった」などの声をいただきました。

会場の様子

発表の様子

質疑応答の様子

 

<参加者アンケートより抜粋>

・このワークショップの主旨であるように、キャリアの浅いうちに横断的に異なる研究分野で交流をする機会となったことが一番の収穫でした。発表を終えた今、分野を超えて自身の研究を理解していただくことの難しさを知る面もありましたが、それがとても良い刺激となりました。と同時に、「生命倫理」が、幅広いバックグラウンドの研究者が集結できる学問であることを知り、これからまた深めていきたいと思いました。

・生命倫理やその関連領域では特定の課題を検討するための研究会・ワークショップが多く,今回のワークショップのように専門分野や所属の異なる多様な研究者が集まってそれぞれの問題関心に基づいた報告をし意見を交わす機会は,学会以外では実はあまりありません。本ワークショップに参加させていただいて,日常とは異なる環境の中で多くの刺激を受けることができました。貴重な機会を設けてくださったことに感謝しています。

 

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