倫理の窓から

CiRAが1年に3回発行しているニュースレターに、当部門の研究者が交代でコラムを掲載しています。多様なバックグラウンドを持つ研究者が、科学の分野や社会で取り上げられている最新のテーマを取り上げ、この分野になじみのない方にもiPS細胞に関わる倫理的課題を身近に感じていただけるよう、話題を提供しています。

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ガイドラインに答えはないんだな

CiRAニュースレターVol.26
2016年7月29日発行
鈴木 美香 研究員
新しい治療法を開発するときには、「初めて人に試す」段階が必ずある。例えばiPS細胞から治療に必要な細胞を作製し、患者さんに移植する時にも、「初めて」は存在する。この時の目的は治療としての「効果」をみることではなく、iPS細胞から作製した細胞の「安全性(副作用などが起きないか)」を確認することにある。

情報発信のあり方について調査結果を考える 

CiRAニュースレターVol.25
2016年4月28日発行
八代 嘉美 准教授
日本の再生医療研究者が多く加入する日本再生医療学会という団体があります。この団体で、再生医療についての適切な知識の共有をはかるため、「情報発信のありかた」について研究者と一般の社会の意識の差を知る調査を実施しました。 

ヒト胚へのゲノム編集(後編)

CiRAニュースレターVol.24
2016年1月27日発行
藤田 みさお 准教授
前回のコラムでは、ヒト胚のゲノム編集に特徴的な倫理的問題として、(1)ヒト胚にゲノム編集という操作を加えることと、(2)その胚から人ひとり創り出す可能性があることの2 つを指摘しました。今回は特に、後者に関する主な議論を4 つ紹介します。

ヒト胚へのゲノム編集(前編)

CiRAニュースレターVol.23
2016年10月29日発行
藤田 みさお 准教授
前回の八代嘉美准教授のコラムに続き、ゲノム編集に関係する倫理的問題について紹介します。

ルールは誰が決めるもの? ~ ヒト胚に対するゲノム編集の議論を めぐって~

CiRAニュースレターVol.22
2015年7月24日発行
八代 嘉美 准教授
少し前、中国で行われた「ゲノム編集」によるヒト胚の遺伝子組み換えが大きな話題になりました。報道をご覧になった方は、その行為が「倫理的に問題である」と書かれていたのをご記憶の方もいるでしょう。しかし、すでに「遺伝子操作」は、生命科学研究では欠くことのできないものというのに、なぜ新たに論争の的になったのでしょうか。端的に言えば「劇的に効率がよくなったから」です。