倫理の窓からみたiPS細胞

CiRAが3ヶ月に1回発行しているニュースレターに、当部門の研究者が交代でコラムを掲載しています。多様なバックグラウンドを持つ研究者が、科学の分野や社会で取り上げられている最新のテーマを取り上げ、この分野になじみのない方にもiPS細胞に関わる倫理的課題を身近に感じていただけるよう、話題を提供しています。

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新型コロナウイルス感染症と論文を「審査する」営み

CiRAニュースレターVol.44
2021年1月27日発行
井出 和希 助教
研究者はその成果を学術論文としてまとめ、知見を社会と共有します。その際、論文の内容について詳しい他の専門家が審査をおこない、掲載の可否を決めたり、掲載を留保して修正を依頼したりします。この過程を「査読」と呼びます。

さらとモード

CiRAニュースレターVol.43
2020年10月22日発行
三成 寿作 准教授
哲学者の鷲田清一先生の本を読むと、言葉に潜む力や価値に気づかされます。『ことばの顔』(中央公論新社)の「モードの論理」では、「さら」という言葉が扱われています。新しさを意味する「さら」は、「さらの服」のように取り替えられるものや買い換えられるものにしか使えないそうです。

新型コロナウイルスと再生医療

CiRAニュースレターVol.42
2020年7月17日発行
藤田 みさお 教授
新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちの日常は一変しました。安心して生活が送れるよう、一刻も早い治療薬とワクチンの開発が望まれます。新しい薬が「治療」として普及するには、まず「臨床試験」で安全性と有効性を確認し、国の承認を得る必要があります。

臨床研究と患者・市民参画(Patient and Public Involvement, PPI)

CiRAニュースレターVol.41
2020年4月14日発行
高嶋 佳代 研究員
最近、将来の治療に向けて患者さんたちの想いや経験を役立てる新たな取り組みに注目が集まっています。これは患者・市民参画(PPI)と呼ばれるもので、研究の計画立案からその結果を社会に届ける一連の流れにおいて、患者や市民の経験値を反映していく活動を意味します。

インフォームド・コンセントの起源に触れる

CiRAニュースレターVol.40
2020年1月30日発行
八田 太一 助教
新しい薬や治療法の開発では、安全性と有効性を確かめるために人間を対象にした臨床試験が行われています。臨床試験を実施する際には、医師や研究者は試験の参加者に十分な説明を行い、参加者による自発的な同意が必須とされます。

いかに社会的合意形成に向けた議論を進めていくのか

CiRAニュースレターVol.39
2019年10月28日発行
赤塚 京子 研究員
新たな科学技術や医療技術が登場したり、それらに関して何らかの事件が発生したりする度に、新聞やテレビで有識者の見解を目にします。様々な見解が述べられる中で、「社会全体で議論するのが望ましい」、「専門家だけでなく、一般の人を交えて話し合うべきだ」という意見は多くの有識者に共通している印象を受けます。

日本で動物性集合胚研究の規制が緩和

CiRAニュースレターVol.38
2019年7月18日発行
澤井 努 助教
2019 年3月1日、日本において動物性集合胚(注1)研究の規制が緩和され、人の臓器を持つ動物の産出が認められました。2010 年以降、動物体内でヒト多能性幹細胞に由来する臓器を作製する研究が進展しており、その臓器を用いた疾患メカニズム研究、創薬、さらに移植医療への期待が高まっています。

会ったことはない。けれど、想いを共有する。

CiRAニュースレターVol.37
2019年4月26日発行
鈴木 美香 研究員
このところ、研究者と、細胞提供者がよりよい信頼関係を築くためには何が必要かを考えています。私は、お互いが大事にしている部分を共有することが重要だと考えているのですが、さてどうでしょうか。

第2回ヒトゲノム編集に関する国際サミットへの参加を通じて

CiRAニュースレターVol.36
2019年1月31日発行
三成 寿作 准教授
2018 年11 月26 日、中国でのある双子の誕生についての報道が注目を集めました。

治験の晴れやかさとシビアさ

CiRAニュースレターVol.35
2018年10月29日発行
藤田 みさお 教授
今号では、CiRAの研究成果を基にして、京都大学医学部附属病院で始まったパーキンソン病の治験を特集しています。